あちこちの金融機関から借りているうちに、返済日がバラバラになってしまった。今月はどこにいくら返せばいいのか、もう分からなくなってきた。そんな状況に心当たりのある方は、決して少なくありません。
複数の借入を抱えていると、管理が煩雑なだけでなく、金利の負担も重くなりがちです。そこで検討したいのが「おまとめローン」という選択肢になります。
おまとめローンとは
おまとめローンは、複数の金融機関からの借入を一本化するための商品です。新しく契約した金融機関から借りたお金で、今ある借入をすべて返済し、その後は1社だけに返済していく仕組みになっています。
具体的な流れを見てみましょう
たとえば、A社・B社・C社の3社から合計150万円を借りている状況を考えてみます。ここでD社のおまとめローンに申し込み、審査に通れば、D社から借りた150万円でA・B・Cの3社をまとめて完済します。以降の返済先はD社1社のみとなるわけです。
銀行や消費者金融、信販会社などが取り扱っており、商品によって条件はさまざまです。自分の状況に合ったものを選ぶことが大切になってきます。
総量規制の例外となることも
通常、貸金業者からの借入は年収の3分の1までという総量規制の対象になります。しかし、おまとめ専用の商品では、この規制の例外として認められている場合があります。
つまり、すでに年収の3分の1を超えて借りている方でも、条件を満たせば利用できる可能性があるということです。
おまとめローンのメリット
では、おまとめローンを利用すると、どんな良い点があるのでしょうか。主なメリットを整理してみます。
返済管理がぐっと楽になる
複数の借入先があるとそれぞれ返済日が違うため、「今月は10日にA社、15日にB社、25日にC社へ返済」といった具合に、頭の中がごちゃごちゃしてきます。うっかり返済を忘れてしまうリスクも高まります。
おまとめローンなら返済日が1日にまとまるため、管理の手間が大幅に減ります。口座の資金管理もしやすくなるでしょう。
金利が下がる可能性がある
借入額によって上限金利が法律で決められています。たとえば、借入額が100万円未満なら年18.0%以下、100万円以上なら年15.0%以下です。
| 借入額 | 上限金利 |
|---|---|
| 10万円未満 | 年20.0%以下 |
| 10万円以上100万円未満 | 年18.0%以下 |
| 100万円以上 | 年15.0%以下 |
もし3社から50万円ずつ、それぞれ年18.0%で借りているなら、おまとめローンで150万円にまとめることで、金利が年15.0%以下に下がる可能性があります。金利が下がれば、支払う利息も減り、完済までの道のりが短くなります。
ただし、返済期間を延ばしすぎると、かえって総支払額が増えることもあるので注意が必要です。
月々の返済額を調整できる
返済期間を長めに設定すれば、月々の返済額を抑えることができます。今の返済が重荷になっている方にとっては、家計の負担が軽くなるでしょう。ただし、これにもデメリットがあります。
詳しくは次の章でお話しします。
おまとめローンのデメリット
良い面ばかりではありません。きちんとデメリットも理解しておきましょう。
返済期間が延びると総額が増える場合がある
月々の負担を減らすために返済期間を長くすると、その分だけ利息を支払う期間も長くなります。結果として、総支払額が増えてしまうことがあります。
たとえば5年で完済する予定だったものを7年に延ばせば、たとえ金利が同じでも、2年分の利息が追加されます。月々の返済額と総支払額のバランスをよく考えることが大切です。
追加の借入ができなくなる
おまとめローンは基本的に返済専用の商品です。通常のカードローンのように、限度額の範囲内で何度も借りたり返したりすることはできません。一度借りたら、あとは返済していくだけです。
これは不便に思えるかもしれませんが、見方を変えれば、無駄な借入を防いで着実に完済に近づくための仕組みとも言えます。
審査が厳しくなる傾向がある
おまとめローンは借入額が大きくなりやすいため、審査も慎重に行われます。すでに複数社から借りている状況ですから、「返済能力があるかどうか」をしっかりチェックされます。
収入や勤続年数、信用情報などが審査のポイントになります。
利用する際の注意点
おまとめローンを検討するなら、以下の点に気をつけましょう。
本当に金利が下がるか確認する
すべてのおまとめローンが、今より有利な条件とは限りません。
特に、すでに銀行カードローンなど低金利の借入がある場合、かえって金利が上がってしまうこともあります。申し込む前に、今の借入先の金利をきちんと確認し、おまとめ後の金利と比較してください。
返済シミュレーションを活用する
各金融機関のウェブサイトでは、返済シミュレーションができるツールが用意されていることが多いです。月々の返済額だけでなく、総支払額がいくらになるかもチェックしましょう。
目先の負担だけでなく、長期的な視点で判断することが重要です。
自分に合った返済計画を立てる
無理なく返済できる金額はいくらか、何年で完済したいのか。おまとめローンを利用する前に、しっかり計画を立てておくことをおすすめします。返済が長期化しないよう、できる範囲で積極的に返していく姿勢も大切です。
こんな方におすすめです
おまとめローンが向いているのは、次のような状況の方です。
- 複数の返済日を管理するのが煩わしいと感じている
- 今よりも低い金利で借り換えができそうだ
- 月々の返済額を見直して、家計を楽にしたい
- これ以上借入を増やさず、着実に完済したい
逆に、今の金利が十分に低い場合や、近いうちに追加の借入が必要になりそうな場合は、おまとめローンが必ずしもベストとは言えません。自分の状況をよく見極めて判断しましょう。
まずは情報収集から始めてみましょう
複数の借入を抱えていると、精神的にも負担が大きくなります。おまとめローンは、そうした状況を整理するための有効な手段のひとつです。ただし、メリットだけでなくデメリットもあるため、安易に飛びつくのではなく、冷静に検討することが大切になります。
金融機関によって商品内容は異なりますから、複数の選択肢を比較してみてください。返済シミュレーションを活用し、本当に自分にとって有利になるかどうかを確認してから申し込みましょう。
分からないことがあれば、各金融機関の相談窓口を利用するのもひとつの方法です。まずは情報をしっかり集めることから始めてみてください。