複数の金融機関からお金を借りている状況では、どの借入から返済すべきか迷う方が多いのではないでしょうか。返済の順番を誤ると、利息の負担が膨らみ、完済までの道のりが遠くなってしまう可能性があります。
借入状況を正確に把握することが第一歩
返済の優先順位を考える前に、まずは自分自身の借入状況を整理することが欠かせません。複数の借入先があると、全体像が見えにくくなり、計画的な返済が困難になるケースが少なくありません。
金融庁では多重債務対策に関する情報を公開しており、借入状況の把握が重要であると指摘しています。
整理すべき情報の項目
各借入先について、以下の項目を明確にする作業から始めましょう。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 借入先の名称 | 金融機関名・消費者金融名など |
| 借入残高 | 現時点で返済すべき元金の総額 |
| 適用金利 | 年利で何パーセントか |
| 月々の返済額 | 最低返済額または約定返済額 |
| 担保・保証人の有無 | 不動産や車などの担保、連帯保証人の存在 |
これらの情報は、契約書や明細書、各金融機関のウェブサイトから確認できます。情報が不明な場合は、信用情報機関に問い合わせることで借入の詳細を把握することも可能です。全体を俯瞰することで、どこに負担が集中しているかが見えてきます。
金利の高さで優先順位を判断する基本原則
返済の優先順位を決める際、最も重要な基準となるのが金利の高さです。高金利の借入は、返済期間が長引くほど利息負担が増大するため、早期の完済を目指す必要があります。
金利による優先順位の考え方
同じ元金でも、金利が異なれば支払う利息総額に大きな差が生まれます。たとえば、50万円を金利18%で借りている場合と、80万円を金利15%で借りている場合を比較してみましょう。
一見すると金額の大きい80万円を優先したくなりますが、金利18%の借入は年間9万円の利息が発生するのに対し、金利15%では12万円です。
- 金利18%の50万円 → 年間利息約9万円
- 金利15%の80万円 → 年間利息約12万円
- 金利10%の100万円 → 年間利息約10万円
このように、借入額だけでなく金利を考慮に入れることで、より効率的な返済が可能になります。消費者金融のキャッシングやクレジットカードのリボ払いは、一般的に金利が高めに設定されているため、優先度を上げるべき対象といえるでしょう。
担保や保証人付きの借入は別枠で考える
金利以外にも、返済の優先順位を左右する重要な要素があります。それが担保や保証人の有無です。これらが設定されている借入は、万が一返済が滞った場合のリスクが格段に高まります。
リスクの種類と影響
| 借入の種類 | 滞納時のリスク |
|---|---|
| 住宅ローン(不動産担保) | 自宅が競売にかけられ、住む場所を失う可能性 |
| 自動車ローン(車両担保) | 車両が引き上げられ、移動手段を失う可能性 |
| 保証人付き借入 | 保証人に返済義務が移り、人間関係に影響 |
住宅ローンは金利が比較的低く設定されていることが多いため、金利だけを見れば優先順位は低くなります。
しかし、返済が滞れば生活基盤そのものが脅かされる事態になりかねません。同様に、保証人に迷惑をかける可能性がある借入も、返済を遅らせるべきではありません。
担保や保証人が関わる借入については、金利が低くても確実に期日通りの返済を続けることが求められます。
少額の借入を完済して借入先を減らす戦略
返済の優先順位を考える上で、心理的な側面も無視できません。借入先が多いと、管理の手間が増えるだけでなく、精神的な負担も大きくなるものです。
少額借入を優先するメリット
金利や金額にかかわらず、残高が少ない借入を先に完済することには、いくつかの利点があります。
- 返済先が一つ減ることで、管理の手間が軽減される
- 完済の達成感が得られ、返済へのモチベーションが向上する
- 返済日の管理ミスによる延滞リスクが減少する
- 完済分の返済資金を他の借入に集中できる
たとえば、10万円以下の少額借入が複数ある場合は、それらを優先的に完済することで、返済計画全体がシンプルになります。ただし、金利が極端に高い借入がある場合は、金利優先の原則を忘れずに、バランスを取りながら判断することが大切です。
収支を踏まえた返済計画の立て方
優先順位が決まったら、次に必要なのは実現可能な返済計画です。無理のない計画でなければ、途中で挫折してしまう恐れがあります。
返済計画作成の手順
- 月々の収入と固定費を明確にする
- 生活に必要な最低限の支出を差し引く
- 残った金額の中から返済に充てられる額を算出する
- 優先順位に基づいて各借入先への配分を決める
- 定期的に計画を見直し、必要に応じて調整する
返済額の設定では、余裕を持たせることが重要です。すべての資金を返済に充ててしまうと、急な出費に対応できなくなり、結果的に新たな借入を招く悪循環に陥る可能性があります。
また、ボーナスなどの臨時収入があった際には、繰り上げ返済を活用することで、利息負担を大きく軽減できます。繰り上げ返済は元金に直接充当されるため、長期的な返済総額の削減に効果的です。
万が一返済に行き詰まった際は、一人で悩まず、金融機関や専門の相談窓口に相談することも選択肢の一つです。