ただ一つの物語(ただひとつのものがたり)
  初出誌
1971年(昭和46年) 小説サンデー毎日12月号
 作品関連
  雑誌 1971年 小説サンデー毎日12月号 毎日新聞社
  書籍 1974年 東経一三九度線 光文社カッパノベルス
  書籍 1980年 三日間の悪夢 角川文庫
  書籍 1989年 裏切りのパレード 光文社文庫
  書籍 1996年 仁木兄妹の探偵簿 兄の巻 出版芸術社
  書籍 2009年 私の大好きな探偵 仁木兄妹の事件簿 ポプラ文庫ピュアフル
 事件の舞台
   砧・・・浅田史彦宅、多治木宅
   自由ヶ丘・・・木崎七重宅、村上外科医院、お菓子屋「鶴屋」、富田医院
   渋谷・・・木崎英三宅
   小田急線沿線(駅不明)・・・アパート「みどり荘」
   品川・・・「陽光電気KK」
 あらすじ
 悦子は新聞の投書欄で、童話「クマの子べーちゃん」の本を探している女性の記事を見つけ驚いた。「クマの子べーちゃん」は、悦子のペンフレンド・木崎七重が生前、哲彦のために手書きで描いてくれたたった一冊だけの本だからだ。早速悦子は、記事の依頼主・深淵則子に連絡をとるが、会ってみると彼女は作品自体にまるで興味がなく、本自体から何かを探している様子だった。そして則子は本を譲ってくれないかと悦子に懇願するが、悦子は亡き七重の形見の品なのでと断り、本のコピーを渡した。夫とその件について話をしているうちに、ある疑念を持った悦子は再度則子に連絡をとるが、彼女は突然引っ越ししていなくなっていた。
 登場人物
浅田 悦子 好奇心旺盛な素人ママ探偵。音大卒業後に結婚、2児の母。
浅田 史彦 悦子の夫。東都新報社航空部のヘリコプターパイロット。
浅田 哲彦 悦子と史彦の長男。あだ名は「テッチン」。
浅田 鈴子 悦子と史彦の長女。あだ名は「スウコ」。
木崎 七重 悦子のペンフレンド。童話「クマの子べーちゃん」の作者。数年前に病死。
木崎 英三 七重の義弟。23~4歳。「陽光電気KK」社員。元・CFカメラマン。
白根 須磨 七重の従姉。「村上外科医院」看護婦。元・七重の付添婦。
丸山 大学生。お菓子屋「鶴屋」の下宿人。元・木崎家の下宿人。
深淵 則子 新聞の投書欄に童話の本の記事を投稿した女性。アパート「みどり荘」に住む。
富田 七重の主治医。「富田医院」院長。
見習看護婦 「富田医院」の見習い看護婦。丸顔。
主人 「鶴屋」の主人。
多治木のおばあちゃん 浅田家の向かいに住むおばあちゃん。悦子と気が合う。
多治木 昇 おばあちゃんの孫。哲彦の友だち。
宇部 東都新報社社会部記者。