炎いろの記憶(ほのおいろのきおく)
  初出誌
1967年(昭和42年) 週刊言論4~6月号
 作品関連
  雑誌 1967年 週刊言論4~6月号 潮出版社
  書籍 2011年 仁木悦子長篇アラカルト 晴の巻 出版芸術社
 事件の舞台
   千歳船橋・・・婦人服店「むつよの店」
   小田原・・・聖テレジア学園
   西荻窪・・・茂垣隆治邸、喫茶店「フミ」
   練馬・・・第1の死体の発見場所
   南多摩・・・「モナミ化粧品KK」工場建設予定地
   名古屋・・・聖ペテロ学園
   池袋・・・大久保不動産
   大阪・道修町(どしょうまち)・・・克子の郷里、畑野ユキ宅
   大阪・・・圭吉の遠縁の家
   天王寺・・・順子が引っ越した後、空襲にあった家
   西新井・・・船江勇作が住む「細川化学西新井住宅」
   浅草・・・アキヨシ写真館
   三鷹・・・アパート「武蔵野荘」
   熊本・・・茂垣隆治・新之助の郷里      
 あらすじ
 デート中の谷克子と岸永圭吉は中華料理店に立ち寄ったが、克子は店のテレビを見ていて呆然立ち尽くしてしまった。彼女はテレビに映っていたある男性が自分の実の父親だと確信したからだ。圭吉はその男性を調べてみると、「モナミ化粧品KK」社長の茂垣隆治であることが判明し、後日二人は西荻窪にある茂垣邸を訪ねることにした。邸では克子を怪しむ隆治の後妻・チカと、懐かしい姉と優しく慕う妹・町子と会うのだが、そこへ練馬の雑木林で隆治の死体が発見されたと連絡が入った。
 登場人物
谷  克子 母が経営する婦人服店「むつよの店」の店員。23歳。
岸永 圭吉 克子の恋人。図鑑のセールスマン。夜間の大学に通う。
谷  良平 克子の養父。一昨年の秋、脳出血で急死。
谷  睦代 克子の養母。婦人服店「むつよの店」を経営。
岸永香代子 圭吉の妹。高校生。
圭吉・香代子の母。
茂垣 隆治 「モナミ化粧品KK」社長。45~6歳。
茂垣 順子 隆治の亡妻。空襲の際、死亡。
茂垣 チカ 隆治の後妻。旧姓・田黒。
茂垣 和子 隆治と順子の長女。空襲の際、行方不明。
茂垣 町子 隆治と順子の次女。
茂垣新之助 隆治の弟。41~2歳。
波岡 「モナミ化粧品KK」副社長。会社は隆治との共同経営。
竹塚 「モナミ化粧品KK」専務。
佐々木 「モナミ化粧品KK」社員。
友川寛一郎 隆治の友人。印刷会社の社員。
田辺夫人 茂垣邸の2つ隣の家に住む主婦。
茂垣邸の近所に住む商店主風の男。
大利根陽八郎 「大利根不動産」社長。
事務員 「大利根不動産」の女性事務員。
宇部庸之助 ヤミ物資販売を営む男。
巽田 保枝 庸之助の同棲相手。
宇部なおみ 庸之助と保枝の娘。
畑野 ユキ 順子の知人。大阪市中央区道修町に住む元・産婆。
畑野 富江 ユキの娘。太って気のよさそうな女性。
船江 勇作 隆治の知人。順子の死後、1年半ほど町子を引き取った。
主人 浅草にある「アキヨシ写真館」の若主人。
通行人 信用金庫の集金係。第一の死体の発見者。
加奈井 警視庁捜査一課警部補。